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信頼

桜の樹の下で会った日は、何度キスした? 二回・・・・だったかな? 
桜の花が昔を思い出させる。一緒にいるだけで良かった頃の二人・・・・
会って、話をするだけ。それ以上求めていなかったよね。


・・・・・・・・・・・・

いつだったか N よりもずっと前に A という男が現れた。
これも会社内での事だった。

彼女の仕事帰りに食事に誘った。
「話があるから・・・・」の話の内容は「付き合ってくれ」だった。
この時はあまり心配せずに見守っていられた。彼女には全くその気が無かったし、A は彼女の話からだと、あまり冴えない気の弱そうな男だった。
そんな男だから、きっと勇気をふりしぼって告白したのだろう。
彼女は迷わない。初めから返事は決まっていた。でも、そんな男を前にきっぱりと断わらなかった。その日、次に会った男が僕だった。一件を全て聞いた。
「だって、分かるでしょう?」
「だめ。曖昧な部分を残したらいけない。あなたにはなんでもない事でも、向こうは真剣なのだから・・・・返事の曖昧な部分に可能性を求めてくるものだ。断わるのなら、こちらも真剣に断わらなければ・・・・」
彼女は相手を傷つけたくなかったのだ。でも、こんな時は綺麗ごとは通用しない。相手の思いを断わって、しかも傷つけないで解決できるとは思えない。いい子になる必要はない。
「今度、言ってきたらしっかり断わるように」
「もう来ないよ・・・」
甘い。相手がどう考えているか分からない。彼女の判断は時々おかしい。
今、眼の前にいる男だって、そんなに信用してもいいのか? 
家庭という一面から見たなら、裏切り者でしかない。

信用してはいけない。
by ryu2005 | 2005-04-12 15:48


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